お茶の旨味と渋みのバランスを整える「湯冷まし」

お茶でわかる会社の品格
~お茶を美味しく入れるには温度が大切~

お湯を適温に整える「湯冷まし」

今回は、美味しいお茶を淹れる為に押さえておきたい「お湯の温度」について記載します。
以前に、美味しいお茶の淹れ方について紹介させていただいた際、
「湯冷まし」をする事が大切と記載しました。
少々手間のかかる湯冷ましですが、なぜ、お湯の温度は下げる必要があるのでしょうか?
そこには、お茶の成分がおおきく影響しています。

「旨味」と「渋み」のバランスを整えるお茶の成分

美味しいお茶を淹れる為には、お茶の成分を知る事が大切です。
難しい事はありません。たった2つの成分「テアニン」と
「カテキン」を押さえておくだけで十分です。

テアニン
    • お茶の「旨味成分」と言われるアミノ酸の一種です。
    • 50℃以上のお湯で成分が溶け出します。

お湯の温度が高くなればなるほど香り高くなります。

  • テアニンを摂取することにより、リラックスの指標である
    α波の発生が30-40分後に確認されています。
  • また、茶葉に日光が当たると旨味成分のテアニンが
    カテキンへと変化してしまいます。
    そこで *寒冷紗などで日光を遮ることでカテキンへの生成が抑えられ、
    渋みの少ない旨味が豊富なお茶(玉露)になります。
    *寒冷紗-黒い遮光カーテン
カテキン
  • お茶の「渋み成分」と言われるフラボノイドの一種です。
  • 60℃以上のお湯で成分が溶け出します。
    お湯の温度が高くなればなるほど渋くなります。
  • カテキンは実に多様な生理活性があることが報告されいますね。
    最近では「高濃度茶カテキン」体脂肪率を下げるともされています。

<ポイント>
玉露など、旨味成分を出したい時は50℃程度の低い温度がおすすめです。
煎茶は、旨味成分と渋み成分のバランスがよい70℃~90℃が良いとされています。
また、お湯の温度調整は難しいように思いますが、
お湯は冷めた湯呑みに移し替えるごとに約10℃お湯の温度が下がります。
100℃の熱湯でしたら3回移し替えることで約70℃のお湯になりますので、
参考にしてみてください。
玉露や煎茶とは違い、香りを楽しみたいお茶「紅茶」や「玄米茶」「ほうじ茶」は
100℃に近いお湯で淹れると美味しいお茶を楽しむことが出来ます。


今回はひとまずここまでとさせていただき、
次回、それぞれのお茶の適温について記載させていただきます。
美味しいお茶を淹れる為には「湯冷まし」をするゆとりが大切ですね。
難しいことではありませんので、ゆっくりじっくりとお茶を淹れて、
ほっこりとリラックスする時間を楽しんでくださいね。